表題作を含む御手洗モノの中編2本を収録。いずれも、ボスニア・ヘルツェゴビナの民族紛争(セルビア人とクロアチア人の紛争など)をテーマとして取り上げている。
本書は、装丁がなかなか凝っている。透明のプラスチック素材をしたことで、奥行きのある視覚効果の演出に成功している(今時、「ジャケ買い」をする人がどれほどいるのだろうか?と甚だ疑問であるが)。
※以下、作品別の感想(というか疑問)。致命的なネタバレ部分については、テキスト反転させる。
「リベタリスの寓話」
・物語序盤にある伝承の物語(フィクションと歴史事実がない交ぜになっている)はよい。このような小咄は、天下一品である。
・時系列、場所などが混沌とした作りとなっている。これは、島荘にしては珍しい。
・時事ネタ、流行ネタ、医学ネタなど様々なものをどん欲に盛り込む、作家としての姿勢は素晴らしい。
・ただ、RMTやセカンドライフのようなネタを入れたのはちょっと残念。前者はやや古い印象がある。また後者は日本では大失敗したといってよい。比較的新しめのネタを入れるのはよいが、このような「腐る」ネタは入れないで欲しかった。
・犯人が、殺害を行う描写は、一人称が「僕」になり、RPGの世界のようになる。これは単なる目くらましなのか?
・タイトルは「Allegory of Ribertas」だ。リベルタが「自由」という意味とあるので、「R」ではなく「L」で始まるのでは?と思ったりもする。リベルタス自体が創作だから、意図的に「R」にしているのか?ラテン語っぽいので、よくわからない。
「クロアチア人の右手」
・御手洗は、なぜ義手のあり方を正確に言い当てたのか?が謎である。石岡が交通事故現場の図面などをスキャンして御手洗に送付したとある。そこから、爆風で飛んだ場所を推測したのだろうが、それにしても正確すぎる。
・ドラガンは、イヴァンの右手が義手であることを察していたとある(序盤の「夢」のパートがどこまで真実をトレースしているのかは定かではないが、もし真実なら当然に知り得たことだろう)。そこまではよい。しかし、それがアメリカ製のものであるといったことは、どこで知ったのか?
いずれの作品も、さすが島荘と思わせる一方で、物足りなさや残念な気持ちが残る。
完全に「型」にはまった作品に飽きたというのが正直なところである。
ところで、島田御大といえば、『三浦和義事件』なんて本も出して、冤罪うんぬんを叫んでらっしゃるわけだが、今回の逮捕でどう出るか見モノである(W
| リベルタスの寓話 | |
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| 三浦和義事件 | |
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これ


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