読んだ本をダラダラと報告する

ミステリー、SF中心。最近読んだ本の報告のほか、絶対読んで損はなしという本も紹介します。あと、映画、ドラマ、アニメ、ゲームもね。(Since2006)

書籍・雑誌

垣根涼介『ギャングスター・レッスン ヒートアイランドⅡ』

『ヒートアイランド』の続編。 微妙な出来。読みやすいのはいいけど、なんか内容が浅いというかなんというか。『ヒートアイランド』のクオリティを期待すると、ガッカリする。 ギャングスター・レッスン ヒートアイランド2 (文春文庫) 作者:垣根 涼介 文藝…

詠坂雄二『遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?』

メタっぽい仕掛けもあり、それなりに期待して読み進めた。ただ、ラストで明かされる答え(なぜ首を切断したのかに対する答え)が、今ひとつ面白くない。大量殺人という大層な設定の必要性も感じなかった。 遠海事件~佐藤誠はなぜ首を切断したのか?~ (光文…

逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』

凄い作品だとは思う。著者の熱量や力量は十分伝わった。ただ、私には、ストーリーが全く面白く感じられなかった。 第二次世界大戦下のソ連が舞台ということもあり、一定水準の知識がない理解が難しい。軍事用語も多数登場する。また、禅問答のようなやり取り…

葉真中顕『そして、海の泡になる』

リーダビリティも高いし、ちょっとした仕掛けもある。ただ、終盤、読者に解釈を委ねたり、メッセージ性が強すぎる印象あり。朝日新聞出版だからか?そのあたりがちょっと気になった。 そして、海の泡になる (朝日文庫) 作者:葉真中 顕 朝日新聞出版 Amazon

垣根涼介『ヒートアイランド』

ストリートギャング、強盗団、ヤクザら、四つ巴の攻防を描く。読みやすく、テンポもよい。アキの作戦が若干わかりにくい箇所もあったが、全体としては良かった。 ヒートアイランド (文春文庫) 作者:垣根 涼介 文藝春秋 Amazon

薬丸岳『籠の中のふたり』

本作も薬丸岳さんの作品らしく、犯罪被害者と加害者の思い、そして贖罪がテーマの1つとして描かれている。読みやすく、リーダビリティも高い。序盤、主人公はいきなりフラれる下りは、男女関係の機微にリアリティがあって良かった。 ただ、キャラ造形やスト…

ヒキタクニオ『触法少女 誘悪』

『触法少女』 の続編である。主人公の九子はキャラが立ってるし、読みやすいのも良い。ラストにはちょっとしたサプライズが用意されているし、きちんと「触法少年」という言葉に意味づけされた仕掛けもある。ただ、作品全体としては、ぶっちゃけ微妙。強引と…

深谷忠記『虹色の罠』

短編6編を収録(表題作というものはない)。どれも一定の水準以上の出来。間違いがない作家さんだね。 虹色の罠 (TOKUMA NOVELS) 作者:深谷 忠記 徳間書店 Amazon

真梨幸子『6月31日の同窓会』

読みやすい作品であるが、登場人物が多く、語り手も時系列もコロコロ変わるので、全体把握がしづらかった。(作中で、情報を整理する場面がでてくるが) オチもいま一つ。何か物足りない、残念な作品だった。 6月31日の同窓会 作者:真梨 幸子 実業之日本社 A…

伊岡瞬『追跡』

伊岡瞬さんの作品に期待するような内容、クオリティではなかった。これは、文春の編集が悪い気がする。巻頭に掲載されている人物相関図も、単純に混乱を招くだけの無用の長物でしかない。 追跡 (文春e-book) 作者:伊岡 瞬 文藝春秋 Amazon

椙本孝思『ハイエナの微睡 刑事部特別捜査係』

椙本孝思さんの作品としては、駄作というか、完全に失敗作かと。大学時代の青臭い恋愛描写、いきなり部屋に転がりこんでくる謎の少女、と素人小説あるあるな内容。どんでん返し(叙述トリック系)の要素があるが、これが壁投げレベル。唯一面白みのあった猟…

雫井脩介『霧をはらう』

冤罪をテーマとした作品。終盤ちょっと駆け足というか唐突というか急展開な感もあったが、全体として読み応えあり。優しい人たちが多数登場する作品だった。物語中盤、ヒロインがパワハラだけでなく、セクハラ被害にも遭いそうだったのが、辛かった。 霧をは…

ヒキタクニオ『触法少女』

13歳の少女(触法少年)の犯罪を描いたクライムノベル(リシンによる毒殺)。事件を描いた後、残りページとして全体の1/4に、警察の捜査・取り調べが割かれてる。単に丁寧に描いてるなら嫌だったが、きちんと一工夫二工夫されていたのは良かった。(叙述トリ…

真梨幸子『坂の上の赤い屋根』

リーダビリティは高いし、一応とんでん返し的な要素もある。ただ、微妙な感じ。駄作とは言わないけど、失敗作かねえ。黒幕とされる人物の名前に、わざわざ傍点が打たれてる理由がわからんかった。 ちなみに、WOWOWでドラマ化されてる模様。叙述トリックが肝…

雨穴『変な絵』

途中でネタのいくつかはわかっちゃったけど、十分面白かった。本として、図版が多めなのも良いよね。 変な絵 作者:雨穴 双葉社 Amazon

椙本孝思『読んではいけない殺人事件』

数年ぶりに椙本孝思さんの作品を読んだ。本作も悪くはないだけど、なんか残念な感じ。タイトルが悪いとか、序盤の掴みが弱いとか、ちょっと長過ぎるとか、ラストの処理が微妙とか。 読んではいけない殺人事件 (実業之日本社文庫) 作者:椙本 孝思 実業之日本社…

真梨幸子『フジコの十ヶ条』

「フジコシリーズ」の続編というか、関連作。面白いには面白い。マトリョーシカのような仕掛けがある。ただ、P352に「原稿を盗む」ような話が出てくるが、そのあたりよくわからなかった。(二人で部屋に入ったということは、)結果的に盗んだというより、最…

真梨幸子『インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実』

『殺人鬼フジコの衝動』の完全な続編。『殺人鬼フジコの衝動』で曖昧のまま処理された事件も、本作で真相が明らかになる。なかなか複雑だが、リーダビリティは高く、面白い。ただ、ラストの「後日談」は余分かな。 インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの…

真梨幸子『殺人鬼フジコの衝動(限定版)』

タイトルに「殺人鬼」とあるが、思ったより凶悪な感じはしなかった。何かぼかしたような表現が多いな、と思って読み進めたら、しっかり仕掛けがあった。 なお、限定版だったので、描き下ろしの『私は、フジコ』も読了した。 殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫) …

雨穴『変な家』

思ってたのとはちょっと違ったけど、十分に楽しめた。図版が多く読みやすいい誌面になっていた。間取り図を確認するのに、いちいちページをめくる(戻る)必要がないからね。 読んだあとに、「映画版」とYoutubeに公開された「完全版」を視聴。映画版は邦画…

内藤了『LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』

「警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花シリーズ」の第2作。1作目が私に合わなかったが、売れてるシリーズのようだし、早々に見切るのもどうかと思い、読んでみた。が、クソつまらなかった。壁投げ本。ネタ自体ありきたり。村ぐるみの隠蔽&杜撰な捜査という脳死…

内藤了『FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』

「警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花シリーズ」の第1作。相変わらずわかりにくいタイトルをつけるねえ?。 ネタ自体には既視感しかない。キャラクターは定型的。ツッコミどころ多数あり、そして微妙に読みづらい。といった感じでとても残念な出来だった。内藤了…

貫井徳郎『不等辺五角形』

貫井徳郎さんの作品としては、正直あまり面白くなかった。事件そのものの謎解きというより、インタビュー形式での恋愛話、子供の頃のエピソードが淡々と語られる。『藪の中』のように、各人物の発言内容が微妙に異なる。キャラは書き分けられてはいるが、似…

葉真中顕『凍てつく太陽』

すごい作品だね。映画化しても良さそう。現代にも通じる様々な問題を浮き彫りにしつつ、見事にエンタメとして昇華させてる。目を背けたくなるような暴力、アイヌ人や朝鮮人差別といったセンシティブな内容が多数出てくる。その中で、意外性というか、どんで…

葉真中顕『鼓動』

中高年ひきこもり、8050問題をテーマにしたミステリー。刑事は、『絶叫』や『Blue』に登場した奥貫彩乃。犯人は中年のひきこもりで、ブサイク底辺という男性キャラなのだが、描き方がリアルすぎ。タイトルにも意味を持たしているし、一応の意外性が用意され…

藤村美千穂『マトリガール』

読みやすいのはいいけど、全体的にラノベっぽい感じ。薄っぺらいというか、リアルティがないというか、キャラが作り物っぽいというか。いろいろツッコミどころもある。 一応、意外性的なものもあるし、いろいろ伏線を盛り込んでるので、意欲は感じられた。著…

伊岡瞬『翳りゆく午後』

高齢者ドライバーの事故といった社会問題をモチーフ(テーマ)にした作品。ミスリード的なものも、しっかり入れ込んでいるのはさすが。他の伊岡さんの作品とは、ちょっと印象が異なるものだった。 (残念なのは)西尾というキャラの赤い車が登場するのだが、…

星野ロミ『漫画村の真相 出過ぎた杭は打たれない』

漫画村事件の再審請求にあたり出版された本。(2025年2月に再審請求は棄却されている。結局、『キングダム』の漫画画像は共犯者がUPしたということで)星野ロミって人、「漫画村」を作る前に、普通に成功してたんだね。数年で月収数千万だぜ。しかも、高卒で…

早坂吝『VR浮遊館の謎:探偵AIのリアル・ディープラーニング』

「探偵AI」シリーズ第4弾。なかなか面白かった。 仮想世界、魔法使い、連続殺人鬼と、いろんなネタてんこもり。そして、終盤に明らかになる真相(まあ、ありがちなネタではあるが)。とにかく巧くまとめてる。流石だわ。コンパクトでサクッ読めるが、満足感…

深谷忠記『平城京殺人事件 「長屋王の変」異聞』

深谷さんの小説をいろいろ読んできたが、これは全く面白くなかった(合わなかった)。読み進めるのが本当に苦行だった。本作は、歴史ものである(歴史小説と時代小説の違いが今ひとつわからない)。私は、受験科目としての世界史は大得意だったが、日本史は…