読んだ本をダラダラと報告する

ミステリー、SF中心。最近読んだ本の報告のほか、絶対読んで損はなしという本も紹介します。あと、映画、ドラマ、アニメ、ゲームもね。(Since2006)

(2009年読了)ミステリー

柳広司『饗宴 ソクラテス最後の事件』

本年のミステリーの各ランキングで、『ダブル・ジョーカー』が上位に入った柳広司の3作目。非常に力作である。力のある作家だというのがよくわかる。本作執筆にあたり、資料を徹底的に読みこなし、勉強したというのが伝わってくる。 幻想的で魅惑的な多数の…

船越百恵『眼球蒐集家』

文章というか全体のテイストは、ラノベだね。装丁にもイラストが使われているし(イラストとその装丁デザインはなかなかいいと思う)。 2点ほど疑問あり。・犯人は、第1の犠牲者を、いつ、どう知った?・犯人は、なぜ第3の犠牲者の目玉を取り出したのか? 眼…

西村寿行『犬笛』

タイトルからわかるように、『黄金の犬』と同様、犬が活躍する作品。過去に映画化もされた有名な作品でもある。エロ描写がほとんどないので、女性で寿行作品を体験してみたいという人にはいいかもしれない。※1箇所だけ、レイプシーンがある。しかし、寿行作…

乾くるみ『六つの手掛り』

表題作ほか、全6編の短編を収録。う?む、いまいち面白くなかった。掛け軸の話は、私の頭ではさっぱり理解不能。書き下ろしの「一巻の終わり」は少し面白かった。乾くるみの本当の魅力は、短編では出せない気がする。是非、長編を書いてほしい。出版社は、長…

福田栄一『狩眼』

情報の出し方がうまいと思った。 ※重大な誤植発見(第1刷)P136上段最終行「戸垣」→「只野」 狩眼 (講談社ノベルス) 講談社 2009-09-08売り上げランキング : 479925おすすめ平均 あっという間に読んでしまいました、とても面白かったです。Amazonで詳しく見…

木下半太『東京バッティングセンター』

軽妙な語り口で、読むのがとても楽しい。ただ残念なことに、プロットが面白くない。(もっと面白くできるはず)タイトルもいまいちだし。ま、駄作だね。 東京バッティングセンター 作者:木下 半太 幻冬舎 Amazon

北山猛邦『密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿』

表題作ほか、全5編を収録。北山さんらしい物理トリックは、本作でも健在(それほど大掛かりではないけど)。 ただ、作品の出来としてはどれも今ひとつ。「解説図」を見ないと、何を言ってるまったくわからないものがある。複雑な物理トリックは、文章で説明…

湊かなえ『告白』

ご存知の通り、超ベストセラーになった作品。 感想だが、まあ普通だなあ?と。確かに文章はしっかりしてるけど、内容的には別にどうってことない。 面白かったのは、「人はみな、孤独じゃない、ロクでもない世の中だけど、幸せになろうよ。信じよう、ネバーギ…

望月守宮 『無貌伝 夢境ホテルの午睡』

何だか最近忙しくなってきて読書量が減ってきました。さて、本作は、『無貌伝?双児の子ら?』の続編。無貌伝シリーズ第2作といったところか。アタリ、ハズレの差が激しいメフィスト賞作家。望月守宮さんはアタリだと思う。 本作では、同時に多くのキャラの行…

東野圭吾『聖女の救済』

数年ぐらい前から、完全に超売れっ子作家になったね。新作はもちろん、旧作も結構売れている。執筆速度も比較的早い。内容も面白い。出版社にとっても、読者にとっても◎言うことなしですな。長者番付あったら、かなり上位に入るんじゃないのかな? さて、本…

輪渡颯介『無縁塚 浪人左門あやかし指南』

「浪人左門あやかし指南」シリーズ第三弾。本作はボリュームが控えめ。中編といった感じ。ある幽霊屋敷?を舞台とした話なのだが、設定や人間関係が結構複雑。いっきに読まないと、混乱するかも。無難にまとまってはいるが、ボリュームだけなく内容的にも物…

西村寿行『汝怒りもて報いよ』

典型的な西村寿行エンタメ作品。かなりの長編である。主人公・弁護士片倉の妻が、ある日突然失踪する。片倉が調査をすると、妻は廃村を根城にした謎の宗教団体に捕らわれていた。その宗教集団は淫邪教ともいうべきもので、男女の激しい乱交が日夜繰り返され…

西村寿行『血(ルジラ)の翳り』

なんと、先日途中で読むのを挫折した『虎落笛』と内容がほとんど同じ(ある一家の家系を遡る&後半江戸時代)。※刊行順も『虎落笛』の直後が『血(ルジラ)の翳り』である。 なんだけど、これは最後まで読めた。犯人は誰なのか?動機は何か?という大きな謎…

×××挫折×××西村寿行『虎落笛』

たまに読みたくなるのが、西村寿行の小説。 本作のタイトルは、「もがりぶえ」と読む。風がピューピュー吹く音のことらしい。 というわけだが、途中で挫折した。つまらん、かったるい。エロ描写も少ないし(W本作は、死刑問題や人身売買といった社会派っぽい…

若竹七海『ぼくのミステリな日常』

短編連作集。タイトル通り「日常系ミステリ」である。全く面白くなかった。本作は比較的高い評価をされている作品である。これは、本作が短編連作という形をとりながら、最終的にあるカタチを生み出すという仕掛けがされている点にあるのだろう。確かに、そ…

歌野晶午『絶望ノート』

いじめをテーマとした重い内容で、歌野晶午の新境地か?と思いながら読み進めた。ただ、途中から妙に軽い部分があったり…… これ「デスノート」?なんて思い始めて……で、ラストにゃあどんでん返しで(Wまあ、歌野晶午らしい作品だった。面白いと思う。ただ、…

歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編である。※前作のネタバレ全開とのことなので、未読の方は注意。私は、前作の記憶が吹っ飛んだ状態で読んだので、何がどうネタバレしてるかわからず。たぶん、各「章(Q)」の間にある短い文章が意味を持ってるんだと思…

連城三紀彦『夜よ鼠たちのために』

表題作ほか、全6本の短編を収録。さすが!という感じ。凄いわ。ところで、レポドラ日記というブログ(CBC)で、連城先生のお顔が拝めるわけだが、服装含めてちょっとみすぼらしい。もう少し偉い感じの演出してほしいなあ。 夜よ鼠たちのために―連城三紀彦傑…

松本清張『張込み』

短編集である。安心して読める作品ばかり。松本清張の人間観察眼の凄さを再確認させられる本であった。 張込み (新潮文庫―傑作短篇集) おすすめ平均 短編集ですが読み応え充分傑作推理短篇清張の芸の旨味を感じる初期短編集清張の芸の旨味を堪能することがで…

深水黎一郎『花窗玻璃 シャガールの黙示』

(こんな言い方をしたら身も蓋も無いけど)全編に施された装飾が無駄というか、こんなの短編でいいじゃねーの、なんて思いながら読み進めた。ストーリーがシンプルというか、あまり動かないしね。 なんだけど、終盤になり、あっと驚くことが!(よくわからな…

大石直紀『爆弾魔』

サクサク読めるエンタメ小説。スピーディーなのはいいけど、もう少し内面(心理)描写があってもよいかと思う。新聞の日曜版連載ということで、「あえて」なのかも知れないが。 爆弾魔 (光文社文庫) おすすめ平均 一気に読みたい秀作Amazonで詳しく見る by G…

三津田信三『凶鳥の如き忌むもの』

「刀城言耶シリーズ」の第2作。前半は読むのが苦行。後半はそこそこ面白い。よく考えられているとは思う。ラストのアレは余分だが。 というわけだが、なぜ前半(事件発生まで)が苦行かというと、わからない、読みづらい、つまらないからだ。まず、伝承や民…

福田和代『TOKYO BLACKOUT』

テロにより、東京(関東)全域が長時間に渡る停電(ブラックアウト)を起こす。そんな非常事態を設定にしたクライムノベルだ。そこそこ面白いのだが、ブラックアウトになってから展開がやや物足りないというか、緊張感に欠けるのが残念。 気になったのは、序…

初野晴『退出ゲーム』

いわゆる青春ミステリ。短(中)編4本を収録。装丁から想起されるものよりずっとコミカルな作品だった(重いテーマを扱ってるけどね)。内容的には、可もなく不可もなくといったところか。この著者の作品は初めて読んだ。本作だけでは、著者の力と魅力がいま…

浦賀和宏『萩原重化学工業連続殺人事件』

浦賀さんらしい作品だった。浦賀さんの渾身の一作という感じですな。引き続き頑張ってください。応援してます。にしても、このタイトル、吉と出るより凶と出るような……。※ちなみに、これ「安藤直樹シリーズ」らしい(読んだ後知った)。安藤も出てこないし、…

北村薫、法月綸太郎、殊能将之、鳥飼否宇、麻耶雄嵩、竹本健治、貫井徳郎、歌野昌午、辻村深月『9の扉 リレー短編集』

9人の作家によるリレー小説。北村薫(発起人)、法月綸太郎、殊能将之、鳥飼否宇、麻耶雄嵩、竹本健治、貫井徳郎、歌野昌午、辻村深月と、ミステリ好きにはたまらない作家が多数参加している。この手の企画ものはロクな本がないが、本書もそう。本気でつまら…

清水義範『こちら幻想探偵社』『ABO殺人事件』

西澤保彦のチョーモンインシリーズ執筆のきっかけの一つということで読んでみた。ミステリーというよりは、SFだね。「ミステリー的な推理を展開するが、実は犯人は超常現象を使えた」というパターン。コミカルで読んでいて楽しい。劇中に登場する「本格好き…

岡嶋二人『殺人!ザ・東京ドーム』

東京ドームを舞台にした連続殺人が描かれる。リーダビリティは文句なし。第3者が犯人に「仕掛け」ていくあたりも見事。なんだけど、全体としてはいまいち。ラストもひどい。内容的にも、岡嶋二人作品っぽくないんだよね。まあ、駄作かと。 殺人!ザ・東京ドー…

岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』

2004年1月に読んだが、再読。岡嶋作品では特に人気の高い作品である。核シェルターに閉じ込められた男女4人のサバイバル、そして彼らが過去に起こした事件の真相を巡るドラマ。基本的に舞台は核シェルターのみ、あとは回想という形を取っている。一幕ものの…

木下半太『悪夢の観覧車』

木下半太の小説作品の2作目。観覧車という密室を舞台に、身代金目的の誘拐事件を描く。(人質は、観覧車の乗客である。観覧車には爆弾が仕掛けられているのだ)本作では、中盤に犯人たちの過去が描かれ、動機や犯罪行為の概要がわかるものとなっていた。これは…