ベストセラーとなり宮部みゆきの代表作となった『模倣犯』に登場した前畑滋子が主役のミステリー長編。主人公が同じというだけで、直接的には「模倣犯事件」とは関係はない。ただ、本作では「模倣犯事件」の犯人の名前や事件の現場などが記されている、つまり激しくネタバレしているので、『模倣犯』を未読の方は要注意だ。
※私は、『模倣犯』を読んだのがかなり前なので、前畑滋子自体完全に失念していた。
本作は、出来のいい作品といえるだろう。さすが、宮部みゆきという感じだ。
ただ、現在起きている事件を追いかけるのではなく、過去の事件の調査がメインでそれほど意外性もないため、やや退屈な感もある。
それでも、イッキに読ませてしまう筆力、読者の興味を引くプロットはさすがである。
内容面で印象強いのが、「悪を悪として描ききったこと」。
これは、なかなかできないことである。
また、下巻334P-335Pにある「我が子を掴みとった、取り戻した」という下りも強烈だ。
<人を殺すこと、我が子を殺すことは絶対に悪いことなのか?>なんていろんなことを考えちゃいます。奇しくも秋田の子殺しの裁判があったばかりで、こんなことを書くと誤解を招きそうではあるが(この小説を読んでない人が見たら、何コイツ?と思われそうだな)。
まあよくできた作品だと思います。
とても嫌な話ですが、敏子のキャラクターとラストには救いがあります。
最後に、ネタバレ疑問点など(完全にネタバレではないが、本作の核心に関係しているので、反転させます)。
・断章の部分がビビョウな気でしたね。これは単行本化するために入れたのか、最初からあったのか知らないが、いまいち効果が薄い。ミスリード目的でもないし。
私は、「誠子が明夫に監禁されている」状態、つまり未来(=小説の終盤にあたる)を入れ込んでいるのかと予測して読んでいたのだが……
・等は、人の気持ち、考えなどを読み取る能力があるのに、なんで自分の死の瞬間をイメージできたの?という疑問がある。
| 楽園 上 (1) | |
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